2020/12/17
RTAで記録が出るほど調子がいいときには、あとから自分で見返しても「何でこんなことをしたんだろう」と思うような操作を、自然に、しかも一瞬で行っていることがあります。
今回は、その一例として『ミスタードリラーエース』のRTAで私がやっていた「落下ずらし」(仮称)について書いてみます。
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「落下ずらし」は、あとから見つけた
その走りをあとから見返していて、妙な操作をしていることに気づきました。私はこれを「落下ずらし」と呼ぶことにしましたが、正式な技名ではありません。私の記憶では、このとき以外に使ったこともありません。
特別な操作を入力するような技でもありません。ゲーム中の基本操作をいくつか組み合わせただけです。ただ、その組み合わせ方とタイミングがかなり危険です。
そして面白いのは、あとから見ると「何でこんなことをしたんだ?」と思うのに、走っている最中は特別なことをしている意識がなかったことです。
どんな状況だったのか

画像の状況でした。まず、エアーが降ってくる状況でした。こういう場合は、基本的には直下掘りでラインをずらさずに掘っていきます。
ところが、そのときの足元には5ブロックありました。ここを掘ればエアーを5%消費します。エアーを節約したかったので、私はその場でエアーが降ってくるのを待つことにしました。
しかし、待つということは危険です。上からブロックが降ってくるからです。しかも、逃げ先になる左右の列にもブロックが降ってきています。単純に待って、危なくなったところで横に逃げるだけでは間に合いません。
そこで、実際には次のようなことをしています。
まず、エアーが降ってくるのを待ちます。
そのエアーの直上にある赤ブロックと、その横の5ブロックも並んで降ってきます。
そして、斜め上にある5ブロックが横の黄ブロックに着地する瞬間を待ちます。ここで重要なのは、斜め上の5ブロックが一度着地することで「グラグラ」の演出が入ることです。
ただし、この時点ではエアーの上にある直上のブロックが、すでにススム君に若干めり込んでいます。まだ着地していないので潰れませんが、時間はほとんどありません。
そこで、斜め上の5ブロックが横の黄ブロックに着地した直後に、横の黄ブロックを掘ります。そして横へ移動して退避します。
必要なのは、斜め上の5ブロックが横に着地した後、直上の赤ブロックがススム君に着地する前という、ほんの短い時間です。この間に「横を掘る」「横へ移動する」を済ませます。
早すぎてもいけません。斜め上の5ブロックが横の黄ブロックに着地する前に掘ってしまうと、「グラグラ」が発生しません。そのまま5ブロックが落ちてきて潰されます。
遅すぎてもいけません。今度は、すでにススム君にめり込んでいる直上の赤ブロックが着地して潰されます。
つまり、足元の5ブロックを掘ることで済む5%のエアー消費を嫌って、早くても遅くても潰される危険な操作をしています。潰されればエアーは20%減り、潰れ演出も入るので、RTAでは致命的なロスです。
それでも、このときはそれをやっています。
実際の動きについては、記録動画の該当シーンを見てもらうのが一番分かりやすいと思います。
速く掘るRTAで、あえて待つ
この操作でもう一つ面白いと思うのが、「待つ」という選択です。
ミスタードリラーのRTAは、基本的にはいかに早く掘るかというゲームです。それなのに、この場面ではすぐに掘らず、エアーが降ってくるのを待っています。
RTAとして1秒でも早い走りを目指しているからこそ、その場で掘ることによって5%のエアーを消費するより、少し待ってエアーを節約することを選んだわけです。エアーを節約できれば、その後も掘り続けられるので、結果としてトータルでは早くなることがあります。
後から考えると、たった5%のためにかなり危険なことをしています。
好調なときのRTAでは、こんなことが起きる
この「落下ずらし」は、特別な技を覚えていたわけではありません。掘る、待つ、移動するという基本的な操作を、その盤面に合わせて組み合わせただけです。
ただ、それを実際に走っている最中には特別なこととして意識していませんでした。盤面を見て、その場では自然にそう判断していたのだと思います。
ところが、あとから記録動画を見返すと「何でこんなことをしたんだろう」と思う。
これは、記録が出るほど集中しているときには、普段なら思いつかないような選択まで自然に、しかも瞬間的にできることがある、ということなのだと思います。
そして逆に考えると、こうした基本操作の組み合わせを瞬時に判断できるくらいの状態でなければ、記録は出ないのでしょう。
そう考えると、結局は練習が大事だったのだろうな、と後から気づきます。個々の操作を練習して、それが身についていたからこそ、調子が良いときには意識することなく組み合わせて使えたのだと思います。
「落下ずらし」は私がたまたま一度やっただけの、危険な操作です。ですが、この走りを振り返ってみると、こういう一瞬の判断まで含めて、そのときの自分はかなり集中して走っていたのだなと思います。