2020/12/17
前回までRTAの話を書いていましたが、今回はRTAには1秒も関係のない話です。
ミスタードリラーエースには「ふしぎなパクテリア」という副題が付いています。その名の通り、ストーリーモードでは、未知の生物「パクテリア」の謎を追っていくことになります。
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物語はドリラー研究所から始まる

ススム君が呼ばれたドリラー研究所で待っていたのは、シリーズお馴染みのゼット博士でした。
ゼット博士によると、ミスタードリラーが掘ったブロックが瞬時に消えてしまうのは、パクテリアという微小生物がブロックを食べているからだそうです。
そこでパクテリアを観測でき、さらに掘って壊したブロックをパクテリアに供給できるようにしたスーツをススム君に与え、ドリドラドの遺跡を調査してほしいと依頼します。
ドリドラドの遺跡とパクテリア

ドリドラドの遺跡でススム君を待っていたのは、こちらもシリーズお馴染みの地質学者、堀口教授です。
遺跡にはパクテリアに関する情報が残されていました。壁画や、謎の発掘品であるミューストーンなどを調べながら、ススム君はパクテリアの謎を追っていきます。
調査を進めると、パクテリアは単にブロックを食べるだけの生物ではないことが分かってきます。壁画には、パクテリアが環境の変化や古代の気候変動などに作用していたことが記されていました。
パクテリアは成長していく

調査を続ける中で、ススム君が連れているパクテリアも成長や進化を遂げていきます。
一方、ゼット博士も研究を続けていました。そして博士は、パクテリアをブロックだけでなく、なんでも食べてしまうように品種改良していきます。
この時点では、まだ「パクテリアについて研究している博士」というだけに見えるかもしれません。ところが、物語はここから急展開します。
そして、東京が壊滅する

最後の調査を終えたところで、未曾有のハザードが発生します。
東京と思われる都市が火の海に包まれ、都市そのものが壊滅するほどの大災害です。
その原因は、ゼット博士が品種改良したパクテリアでした。
なんでも食べる性質を持ったパクテリアは成長を続け、ついにはエネルギーすら吸収するようになってしまいます。巨大なパクテリアとなったそれを止める術はありません。
ここでゼット博士は、こう語ります。
「生き物を都合のいいようにコントロールしようとしたゴウマンさが、あんなバケモノをうみだしてしまったんだ・・・。」
なるほど。人間が生き物を都合よくコントロールしようとした傲慢さが、この災害を生んだ。そういう教訓なのでしょう。
ススム君が「何か打つ手は無いんですか?」と尋ねても、ゼット博士の答えは厳しいものでした。
「あの巨大なパクテリアは、どんなものもエネルギーとして吸収してしまうんじゃ・・・。もうどうしようもないかもしれん。」
もはや打つ手なし。東京壊滅です。
世界を救ったのはススム君とパクテリア

ところが、ここでススム君と一緒に調査を続けてきたパクテリアが反応します。
ワルキューレの氷穴最深部で見つけた「悟りのミューストーン」と反応し、パクテリアは究極生命体パクへと進化します。
究極生命体パクは、地中やそこら中に存在するパクテリアたちと力を合わせ、巨大パクテリアへ向かいます。
そして巨大パクテリアとともに爆発することで、ようやく事態は沈静化します。
最後に残された言葉は、
「ススム・・・さよなら・・・。」
ススム君と相棒パクテリアの友情によって、世界は救われたと言ってもいいでしょう。

感動のエピローグ……なのですが
巨大パクテリアも、究極生命体パクも、その他のパクテリアたちも、巨大な閃光となって消えてしまいました。
しかし、その後、不思議で嬉しい出来事が同時に起こります。
環境破壊によって空いたオゾン層の穴がいくつか塞がっていったこと。汚れて生き物が住めなくなった川に、魚が少しずつ戻ってきたこと。そして、みんながちょっと優しくなり、ケンカの声が昔より聞こえなくなったこと。
ドリドラドの遺跡から見つかった古文書には、パクテリアがさまざまな災害から生き物を守ってくれた歴史が記されていました。
そこから、パクテリアは地球の環境変化に対する自衛能力なのではないかと考える学者もいます。
その説を語るのも、ゼット博士です。

ただし、パクテリアについてはまだほとんど何も分かっていません。だからこそ、その謎をあなた自身の手で解き明かしてほしい。そうしてストーリーは幕を閉じます。
そして、ススム君の相棒だったパクテリアは、最後に卵を遺してくれていました。
……ところで、ちょっと待ってほしい
ここまでストーリーを普通に追ってきた皆さんなら、もう気付いているかもしれません。
この事件の原因になった巨大パクテリアは、どこからやってきたのでしょうか。
もともとのパクテリアは、古代から環境の変化に関わり、場合によっては生き物を災害から守ってきた存在でした。
それを、人間に都合のいいように改造したのは誰でしょうか。
「なんでも食べる」ように品種改良したのは誰でしょうか。
そして、その結果として生まれた巨大パクテリアによって都市が壊滅したとき、「生き物を都合のいいようにコントロールしようとしたゴウマンさ」が原因だったと語ったのは誰でしょうか。
……そうです。
ゼット博士です。
真の黒幕、ゼット博士
改めて考えてみると、巨大パクテリアは悪意を持って東京を壊滅させた存在というより、ゼット博士によって性質を歪められたパクテリアです。
そして、その巨大パクテリアを命懸けで止めたのはススム君とパクテリアたちでした。
特にススム君の相棒だったパクテリアは、究極生命体パクへと進化し、他のパクテリアたちとともに自らを犠牲にして世界を救いました。
つまり、この物語を少し違う角度から見ると、ゼット博士が原因を作り、パクテリアたちが被害を受け、その尻拭いをススム君とパクテリアたちが命懸けで行った、と見ることもできます。
それなのに、事件の後にゼット博士が語るのはパクテリアの研究成果と、その存在が地球環境を守る仕組みなのではないかという話です。
……いや、あなたが一番最初に品種改良したんですよね?
私はミスタードリラーエースのRTAを走るたびに、このあたりのムービーを見ることになります。RTAではステージクリアムービーを飛ばすので、パクテリアの謎をじっくり追う部分はほとんど見ません。
それでも、オープニングとタイマーストップまでに語られるゼット博士の所業は毎回見ることになります。
そのたびに「このくそハゲ野郎が!」「責任を取れ!」などと心の中で悪態をつきながら、最後にはススム君とパクの友情に泣いています。
なお、私のゼット博士に対する感情には多少の誇張があります。
ただし、博士がパクテリアを品種改良し、その結果として巨大パクテリアによる大災害が起きたという話そのものについては、誇張していません。
ちなみに、この記事はRTAの記録を1秒も速くしてくれません。