2020/12/17
キメラ=アント編の王宮突入作戦について考えると、ノヴやモラウなどの貢献は非常に分かりやすいです。
ノヴは四次元マンションによって作戦の根幹を支え、突入後も後方支援を行いました。作戦前にププのオーラによりハゲ散らかしてしまい戦意喪失してしまいましたが多くの作戦貢献を行いました。モラウも煙を使った撹乱やプフの拘束、ナックルの援護など多くの仕事をしています。
それに対してゴンは、突入前の段階では「この作戦でどれほど役に立つのか」と思われやすかったように感じます。ゴンの能力は基本的に正面から殴るための直接戦闘力でありゴン自体もまだ成長過程で未熟なので護衛軍相手にどれだけやれるのか疑問でした。作戦向きではありませんでした。しかもムラっ気があるため、本番で安定して働けるのかという不安もあります。
ところが、実際に王宮へ突入してからのゴンの戦果を並べてみると、かなり凄まじいものがあります。
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最大の戦果はピトー撃破
まずわかりやすく最大の貢献は、やはりピトーの撃破です。
王宮突入作戦の目的は、護衛軍を倒すことそのものではなく、護衛軍を王から引き離して足止めし、その間にネテロがメルエムと戦う状況を作ることでした。
その意味では、護衛軍一人を単独で足止めするだけでも大きな戦果です。ゴンはピトーを強く警戒させ、その場に拘束しました。しかも一時的にはプフまで相手にしています。
つまりゴンは、護衛軍3人のうち1人を単独で足止めし、一時的には2人を足止めしていたことになります。
そして最終的には「ゴンさん」と化すことでピトーを撃破しています。他のメンバーが主として護衛軍の足止めを行っていたのに対し、ゴンはその先の「撃破」まで成し遂げたわけです。これが最大の戦果でしょう。
キルアがフリーになった成果
さらに重要なのが、ゴンが単独でピトーを相手にしたことで、キルアを別の戦場へ回せたことです。
もともとはゴンとキルアの二人でピトーを相手にする作戦でした。しかしゴンがピトーを拘束したため、キルアが自由になりました。
その結果、キルアはユピー戦へ向かうことができました。そこでナックルがユピーのフェイントにかかり、死亡寸前まで追い込まれたところをキルアが救っています。
ゴンがピトーを単騎で相手にしていなければ、キルアがそこへ行けず、ナックルが命を落としていた可能性があります。
ゴンは直接ナックルを助けたわけではありません。しかし、自分がピトーを引き受けることで、キルアという戦力を別の場所へ送り出した。この間接的な貢献も非常に大きいと思います。
プフの拘束によってモラウも動けた
さらにゴンは、一時的とはいえプフも拘束しています。
これによってモラウがナックルを援護することが可能になりました。
ゴンがピトーだけでなくプフまで引き留めていたからこそ、討伐隊側の人員を別の戦場へ回す余裕が生まれています。
もしゴンが護衛軍を引き付けられていなければ、キルアもモラウも別の場所へ動けなかった可能性があります。その場合、ナックルやモラウの生存だけでなく、王と護衛軍を分断するという作戦そのものにも影響が出ていたかもしれません。
ゴンが稼いだ時間
もう一つ見逃せないのが、ゴンがピトーを拘束していた時間そのものです。
プフには、侵入者の捕縛とピトーの発見をめぐるメルエムとの勝負がありました。ピトーがゴンに拘束されている以上、プフがピトーを発見して勝利条件を満たすことはできません。
しかもメルエムがプフの鱗粉散布後に動くという条件もありました。ゴンがピトーを拘束していた時間は、そのままメルエム側の行動に使える時間を削ることになります。
結果として、その時間はメルエムやプフ、ユピーの寿命を削ることにもつながりました。さらにそれは討伐隊だけでなく、城外にいた多くの人々が犠牲になる可能性を減らすことにもつながっています。
もちろん、これはゴンが意図してやったことではありません。しかし、作戦の結果として見るなら、ピトーを拘束していた時間にはそれだけの価値がありました。
王とピトーを分断したままにした
メルエムが宮殿へ戻った後も、ゴンはピトーとともに古城へ向かっています。
ゴンの目的はあくまでカイトを救うことです。しかし結果として、メルエムとピトーは分断されたままになります。
プフとユピーはメルエムと合流したのに対して、ピトーだけはゴンによって王のもとへ戻れませんでした。
実際にはこの時点でメルエムは薔薇の毒によって助からない状態でした。しかし討伐隊側がそれを完全に把握していたわけではありません。戦闘が続けば犠牲が出る可能性は残っていました。その状況でピトーを王から引き離したままにできたことにも意味があります。
ピトーを拘束できたのはゴンだけの功績ではない?
ここには一つ重要な反論があります。ピトーが王の命令によってコムギの治療をしていたことです。
メルエムは負傷したコムギを治療するようピトーに命じました。これは、キルアが事前に警戒していた「外部要因によって作戦が変化する可能性」でした。この「コムギの治療」がなければピトーはもっと自由に動けたハズであり、ゴン単独によるピトー拘束は成立していなかったと思われます。
そう考えれば、「ピトーの足止めはゴンの功績ではなく、コムギを治療させたメルエムや、コムギを負傷させたじっちゃん(ゼノ)のドラゴンダイブの影響ではないか」という見方もできます。
ただ、それでも私はピトーの拘束をゴン自身の功績として評価していいと思います。
ピトーがコムギの治療をしているだけなら、治療の片手間にゴンを相手取り排除するという選択がとれたはずだからです。それをせず、ピトーがゴンを強く警戒したのは、ゴンを「王に届きうる」底知れない脅威として認識したからです。ゴンをその場に留めておくという利害の一致が発生しました。
つまり、コムギという外部要因をゴンが上手く利用できたのは事実ですが、それだけでピトーを拘束できたわけではなくゴン自身の覚悟や迫力によってピトーの拘束という成果が出来たと思います。
「役に立たないと思われていたゴン」の実際
こうして王宮突入後のゴンの行動を並べてみると、突入前の印象とはかなり違います。
ゴンは特殊な作戦能力を持っているわけではありません。基本的にはジャジャン拳で殴るだけです。
しかし、その単純な戦闘力によって護衛軍一人を単独で足止めし、一時的には二人を足止めし、その結果としてキルアやモラウを別の戦場へ回すことができました。さらにピトーを撃破し、王とピトーの分断まで維持しています。
ノヴやモラウのような分かりやすい作戦貢献と比べると、ゴンの働きは「ピトーとにらみ合っているだけ」という地味なものでした。後の「ゴンさん化」によるピトー撃破ばかりが目立ちますが、「ピトーとにらみ合っているだけ」で十分な戦果だったのです。
その上さらに「ゴンさん化」によるピトー撃破も加わりますので、ゴンの貢献度は討伐隊の中でも極めて高いものだったと言えるでしょう。
モラウが評価していたゴンの「ムラっ気」の中にある、本番での強さ。王宮突入という本番で、それがはっきり現れたのだと思います。