2020/12/17
『HUNTER×HUNTER』には、昔登場した人物や設定が、何年も経ってから別の物語とつながってくることがあります。
今回は、その中でもかなり大胆な説である「パリストン=シーラ説」を採用したら、物語全体がどう見えてくるのかを考えてみます。
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シーラとは何者なのか
シーラは、クラピカの過去やクルタ族に関わる人物として登場したキャラクターです。さらに幻影旅団の過去にも関係しており、クルタ族虐殺との関連を疑われる立場でもあります。
現在の物語では、ツェリードニヒが大量の緋の眼を所有しています。そのため、シーラが単なる過去編の人物ではなく、クラピカ、幻影旅団、ツェリードニヒ、そして現在の継承戦までつながる人物なのではないか、と考える余地があります。
そして以前から、シーラの目や表情、ネズミを好んでいるように見える描写などから、「シーラはパリストンなのではないか」という説があります。
もちろん、これだけでパリストン=シーラと断定できるわけではありません。ここではいったん、この説が正しいものとして考えてみます。
シーラ=パリストンだと何が起こるのか
一番大きいのは、シーラという人物の過去が、現在のハンター協会や暗黒大陸方面の物語にまでつながってしまうことです。
シーラから見れば、クラピカ、クルタ族、幻影旅団、ツェリードニヒという線があります。そこにパリストンを重ねると、ジン、ハンター協会、ビヨンド、暗黒大陸という別の線まで一本につながってきます。
つまり「シーラはクルタ族周辺の人物だった」というだけではなく、「実は物語のかなり広い範囲に関係する人物だった」と再解釈できるわけです。
ジンとの関係も変わってくる
ここで面白くなるのがジンとの関係です。
G.I.の製作者名に使われているイニシャルの中に「S」があります。このSをシーラだとする説があります。もしこれを採用するなら、シーラはG.I.の製作に関わった人物ということになります。
そしてシーラ=パリストンなら、パリストンとジンは現在のハンター協会で出会っただけではなく、G.I.の時代から何らかの関係があったことになります。
そう考えると、現在のジンとパリストンの妙な距離感も、単なる「お互いに嫌いなタイプだから」という以上の過去を持っているのではないか、と考えたくなります。
ゴンの母親説までつながる
G.I.の頭文字Sがシーラとしてジンとの関係性が出てくると、シーラにはさらに、「ゴンの母親なのではないか」という別の説が浮上してきます。
これももちろん確定した話ではありません。しかし、シーラ=パリストン、G.I.のS=シーラ、そしてゴンの母親=シーラを全部採用すると、ゴンとジン、G.I.、パリストンまで一つの線でつながります。
するとシーラは、クラピカ側の過去だけではなく、ゴン側の物語にも存在する人物だったことになります。
レオリオまでつながってくる
もう一つ面白いのがレオリオです。
パリストンはハンター協会の副会長を務め、会長選挙編では協会の政治に深く関わった人物です。一方、レオリオは初期から登場する主人公4人の一人でありながら、他の3人と比べると本筋への関わりが少なく見える時期もありました。
ところが、シーラ=パリストンという構図を採用すると、レオリオにも「パリストンと対立する側」という接続ができます。
レオリオが今後ハンター協会の中心人物になっていくのであれば、パリストンとの関係は、単なる選挙編の因縁ではなく、物語後半の大きな対立軸になる可能性も考えられます。
キルアも別の線でつながる
キルアについては、もともとゾルディック家とアルカ、そしてアイの存在によって暗黒大陸側の物語につながっています。
これは今回の話とは別の説ですが、「クロロ=ゾルディック家の人物」まで加えると、話はさらにややこしくなります。
この説では、ゾルディック家の母親が流星街出身なのではないかという話や、カルトの「兄さんを取り戻す」という発言が、キルアではなくクロロを指しているのではないか、といった解釈が材料になります。
もちろんこちらも確定事項ではありません。ただ、もしクロロがゾルディック家とつながっていたとすれば、キルアもゾルディック家→クロロ→幻影旅団というルートで、クラピカ側の物語に接続できます。
初期4人がそれぞれ別の場所からつながる
ここまで全部の説を採用してみると、かなり大きな構図が見えてきます。
クラピカはクルタ族、幻影旅団、緋の眼、ツェリードニヒ。
ゴンはジン、G.I.、シーラ、パリストン、そして暗黒大陸。
キルアはゾルディック家、アルカ、アイ、さらに仮にクロロを経由して幻影旅団。
レオリオはハンター協会とパリストン。
それぞれが別々の物語を歩んでいるように見えて、実は全員が暗黒大陸編という巨大な本筋へつながっている、という構図になります。
この説が面白いのは「シーラが全部の中心」だからではない
個人的にこの説で一番面白いと思うのは、「実はシーラが黒幕だった」という話ではありません。
そうではなく、シーラ=パリストンという仮説を置くことで、これまで別々に見えていた物語を一つの構造として読み直せることです。
クラピカと幻影旅団の物語。ツェリードニヒと緋の眼。ジンとG.I.。ゴンの母親。ハンター協会とパリストン。レオリオ。そして暗黒大陸。
これらが実は、昔から少しずつ仕込まれていた一本の大きな物語だったとしたら。
もちろん、現時点ではかなりの部分が仮説です。パリストン=シーラそのものが確定しているわけでもありませんし、G.I.のSやゴンの母親説、クロロ=ゾルディック家説も同様です。
それでも「もし全部つながっていたら」と考えてみると、過去の何気ない描写まで違った意味を持って見えてきます。
『HUNTER×HUNTER』は昔の設定を後から拾ってくることが多い作品なので、こういう「実はあの人物も、あの事件も、全部どこかでつながっていた」という展開は、個人的にはかなり期待してしまいます。